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相続法改正について

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約40年ぶりに変わる相続法とこれからの相続 よく分かる相続法改正

 


 

平成30年7月に、約40年ぶりに相続法が大きく改正されました。
今回の相続法改正の概要をご紹介します。参考として、以下に改正のレベルも表示しました。

① 配偶者居住権について

A 配偶者居住権 被相続人の配偶者が、配偶者居住権を取得すると、住んでいた建物を無償で使用することができるという権利
C 配偶者短期居住権 被相続人の配偶者が、一定期間(遺産分割成立まで等)、住んでいた建物を無償で使用することができるという権利

 
② 遺産分割の見直しについて

B 持戻し免除の推定 婚姻20年以上の配偶者への居住用不動産贈与で持戻し免除の意思表示の推定規定
B 預貯金の仮払い制度 預貯金債権の仮払い規定と単独権利行使の制度
C 遺産の一部分割 遺産分割協議で相続財産の一部の分割可能を明文化
C 遺産分割前の処分 遺産分割協議前に相続財産を処分した場合の遺産範囲の明文化

 
③ 遺言制度の見直しについて

A 自筆証書遺言の方式緩和 財産目録についてワープロや通帳コピー可
A 自筆証書遺言の法務局保管と検認省略 自筆遺言を法務局で保管し、家庭裁判所の検認不要とする制度創設
C 遺贈の担保責任 遺贈義務者は相続開始時の状態で引き渡す義務があることを明文化
B 遺言執行者の権限 任務開始の通知義務等
特に大きな改正と考えられる事項
改正があった事項
現行民法の解釈や判例をベースに明文化した事項

 
 

相続法改正・改正法の施行日

相続法に関する改正法の施行期日は、以下のように定められています。

①原則
令和元年7月1日(平成31年/2019年)

②配偶者居住権(配偶者短期居住権も含む)(民法1028条~1041条) 
令和2年4月1日(平成32年/2020年)

③自筆証書遺言の方式緩和(民法968条)
平成31年1月13日(2019年)

④債権法改正法の施行に伴い規定を整備するもの(民法998条、1000条、1025条但書など)
令和2年/平成32年4月1日(2020年)

⑤遺言書保管法
令和2年/平成32年7月10日(2020年)

 
 
 
 
 


 
 
 

 
 

相続法改正・配偶者居住権について

配偶者居住権とは、被相続人の配偶者が、住んでいた建物を無償で使用することができる権利のことです。たとえば、被相続人である夫が死亡し、残された高齢の妻がいる場合に、一定の要件を満たせば、妻はそのまま自宅に住み続けることができます。

相続法改正で配偶者居住権がつくられた趣旨は、夫婦の一方が亡くなった場合に、残された配偶者が住み慣れた我が家でそのまま居住することができるように、ということを考えられて新設されました。
相続人である配偶者が高齢である場合は特に、相続を機に今まで長年住んできた自宅を離れて新しい土地で新生活を始めるということは大きな負担となってしまいます。
高齢化社会が進む中で、このように配偶者の居住権を保護するという社会的要請はますます強くなっています。

配偶者居住権の内容

配偶者居住権は、配偶者が、居住していた自宅建物の全部を、無償で使用・収益することができる権利になります。つまり、賃料の支払いは不要で、住み続けることができます。配偶者居住権が適用される期間は、特段の定めがなければ、終身の居住権利となります。

配偶者居住権の相続財産評価

なお、配偶者居住権は相続財産の対象となりますので、配偶者居住権としての財産評価額が、配偶者の具体的相続分から控除されることになります。
例外的に、夫婦の婚姻期間が20年以上の場合で、配偶者居住権が遺贈された場合については、被相続人の持ち戻し免除の意思表示があったものと推定されます(改正民法903条4項準用)。

配偶者居住権の財産評価について、確定した評価方法は決まっていませんが、簡易な評価方法として、以下のような方法があげられています。

建物敷地の現在価値-負担付き所有権の価値=配偶者居住権の価値

つまり、配偶者居住権が設定されている場合は、負担付き所有権ということになり、その負担が消滅するまでは所有者は利用できないため、その負担分を差し引いて評価するというものです。

配偶者居住権の要件

配偶者居住権が成立するための要件は、以下のとおりです。

対象建物と居住時期の要件

■配偶者が、被相続人の財産である建物に、相続開始の時に居住していた場合

 つまり、夫が死亡していたときに、妻がその家に住んでいた場合は、配偶者居住権の対象となるケースということになります。

 ただし、一点、以下の例外があるため注意が必要です。
 「被相続人が相続開始のときに、居住建物を配偶者以外の者と共有していた場合には、配偶者居住権は成立しない」というものです。たとえば、夫と妻が住んでいた家の所有権名義が、夫1/2・長男1/2というような場合は、配偶者居住権は成立しないことになります。
 

取得要件

 ①配偶者居住権を「遺産分割」で取得するものとされた場合

 ②配偶者居住権が「遺贈」の目的とされた場合

 上記のいずれかの取得要件が必要となります。

 たとえば、夫が所有している自宅について、夫が遺言を書き、「自宅に妻を居住させることを条件に、長男に自宅を相続させる」という公正証書遺言書がある場合は、配偶者居住権を設定する旨の意思表示ととらえることができると考えられます。

配偶者居住権と遺産分割協議

遺産分割協議で配偶者居住権を考える場合は、以下のようなイメージになります。

 ■夫の相続財産
 自宅の土地建物 3000万円
 預貯金 3000万円
 相続人 妻・長男・次男

 この場合に、配偶者居住権の財産評価額を1000万円とした場合

現行の遺産分割協議例(現行民法)
 妻 自宅所有権 3000万円
 長男 預貯金1500万円
 次男 預貯金1500万円

 財産的に大きな自宅所有権を妻が取得するということになると、それだけで法定相続分である2分の1を取得することになるため、預貯金はすべて長男と次男が相続することになります。

相続法改正による遺産分割協議例(改正民法)
 妻 自宅居住権(配偶者居住権)1000万円 預貯金2000万円
 長男 自宅所有権 2000万円
 次男 預貯金 1000万円 長男から次男への代償金500万円

 配偶者居住権を考慮して遺産分割協議を行った場合は、妻は自宅居住権(配偶者居住権)のほかに預貯金を取得することができ、妻の生活を守ることができます。
 

配偶者居住権の対抗要件と登記

配偶者居住権を対抗するための対抗要件は、「登記」のみです。
建物の占有をもって対抗要件とするという規定は採用しておりません。

建物の所有者は、配偶者に対し、「配偶者居住権の設定の登記」を申請することになります。

配偶者居住権のイメージ

配偶者居住権を理解するためのイメージとしては、「賃借権」をイメージするとわかりやすいでしょう。
配偶者居住権は、基本的に賃借権と同様の性質があるため、無断での増改築や、無断で第三者に転貸・使用収益させることを禁止しています。

配偶者居住権の施行日

配偶者居住権に関する規定(1028条~1041条)については、令和2年/平成32年(2020年)4月1日から施行されます。

 
 
 
 
 


 
 
 

 
 

相続法改正・配偶者短期居住権について

配偶者短期居住権とは、被相続人の配偶者が、住んでいた建物を一定期間の間、無償で使用することができる権利のことです。
たとえば、夫と一緒に住んでいた夫所有の自宅建物について、夫が死亡して遺産分割協議が成立するまでの間、配偶者短期居住権によって、そのまま無償で自宅に住むことができます。
(仮に、他の相続人が自宅建物を取得することになっても、遺産分割協議成立までは、無償で居住でき、賃料の支払いも不要です。)

配偶者短期居住権についての判例

配偶者短期居住権に関する判決としては、最高裁平成8年12月17日判決において、

共同相続人の一人が相続開始前から被相続人の許諾を得て遺産である建物において被相続人と同居してきたときは、特段の事情のない限り、被相続人と右同居の相続人との間において、被相続人が死亡し相続が開始した後も、遺産分割により右建物の所有関係が最終的に確定するまでの間は、引き続き右同居の相続人にこれを無償で使用させる旨の合意があったものと推認されるのであって、被相続人が死亡した場合は、この時から少なくとも遺産分割終了までの間は、被相続人の地位を承継した他の相続人等が貸主となり、右同居の相続人を借主とする右建物の使用貸借契約関係が存続することになるものというべきである。

という判例があります。

ただし、上記の判例ではあくまで推認するというものであるため、配偶者の短期的な居住権を保護する必要があり、配偶者短期居住権の規定がつくられました。
配偶者短期居住権を理解する上でのイメージとしては、「使用貸借」というイメージを持っておくと理解しやすいかと思います。

配偶者短期居住権の内容

配偶者短期居住権は、被相続人の相続開始時に、配偶者が被相続人の建物に無償で居住していた場合に、一定期間は無償で使用することができる権利です。

例外として、配偶者居住権(民法1028条)を取得した場合や、相続の欠格事由や廃除に該当した場合は、配偶者短期居住権は発生しません。

また、配偶者短期居住権による使用収益の利益は、配偶者居住権(民法1028条)とは異なり、相続財産の対象とはなりません。

配偶者短期居住権の期間

 配偶者短期居住権が設定される存続期間は、以下のいずれか遅い日までとなります。
 ①遺産分割で居住建物の帰属が確定した日
 ②相続開始時から6か月を経過する日

なお、配偶者が遺産分割手続きに関与しない場合(相続放棄した場合や、遺言で相続分の指定がされた場合など)は、建物所有権取得者から、配偶者短期居住権の消滅申し入れをすることができます。この場合、申し入れ日から6か月間に限り、配偶者短期居住権を有するという取り扱いとなります。

相続法の改正配偶者居住権の施行日

配偶者居住権に関する規定(1028条~1041条)については、令和2年/平成32年(2020年)4月1日から施行されます。

 
 
 
 
 


 
 
 

 
 

相続法改正・持戻し免除の推定

特別受益と持戻し免除の意思表示

改正民法で、持ち戻し免除の意思表示の推定規定が新設されました。
この持戻し免除を理解するためには、特別受益を理解する必要があります。

特別受益の制度

特別受益とは、共同相続人の中に、被相続人から遺贈を受けたり、婚姻・養子縁組・生計の資本として贈与を受けた者があるときは、その贈与額を相続財産に戻して、共同相続人間の公平を図るという制度です。この特別受益制度の中で、特別受益を相続財産の中に回復させることを、「特別受益の持戻し」といいます。

特別受益の対象となる贈与・遺贈

特別受益の対象となるものとしては、以下のものがあります。
 ・遺贈…すべての遺贈(目的を問わない)
 ・婚姻・養子縁組のための贈与…嫁入り道具や支度金など
 ・生計の資本としての贈与…居住用不動産や購入資金、高額な学費など

 夫が妻に対して、住んでいる自宅の土地建物を贈与するケースも多くありますが、これは妻の居住のための贈与ですので、生計の資本としての贈与となります。

持戻し免除の意思表示(特別受益の例外)

被相続人が「持戻し免除の意思表示」をしたときは、特別受益は相続財産に入れないことになります。
たとえば、「妻に、自宅の土地建物を贈与する。贈与した自宅は、相続財産に算入せず、また妻の相続分から控除しないこととする」「贈与財産を相続時に相続財産に持戻すことを免除する。」というような贈与契約書・遺言書を作成しておけば、特別受益の持戻しはなされません。

 ※持戻し免除を行った場合でも、他の相続人の遺留分を侵害する場合は、遺留分減殺請求権の対象にはなりますので、混同しないように注意してください。

特別受益の計算方法

特別受益の計算方法は、以下の順番で行います。
①みなし相続財産を算出する…被相続人の相続開始時の財産の価額に、贈与の価額をプラスして相続財産とみなす。
②上記①を基準に、各相続人の相続財産額を算出する。
③特別受益者について、上記②の相続分から、特別受益額をマイナスする。

特別受益の計算例
・生前に、夫所有の自宅(相続開始時の時価2000万円)を妻に贈与
・夫の相続財産は、預貯金3000万円
・相続人は、妻・長男・次男

持戻し免除の意思表示があった場合
 相続財産は、預貯金3000万円のみが対象となる。
 妻 1500万円
 長男 750万円
 次男 750万円

持戻し免除の意思表示がなかった場合
 相続財産は、預貯金3000万円+自宅2000万円が対象となる。
 妻 5000万円×1/2-2000万円=500万円
 長男 1250万円
 次男 1250万円

相続法改正・持戻し免除の推定

この持戻し免除について、相続法改正により、
「婚姻期間が20年以上の夫婦の間における居住用土地建物の遺贈・贈与の場合、持戻し免除の意思表示があったものと推定する」という内容の規定が創設されました。
この規定は、高齢化社会における配偶者の生活を守るための規定です。
相続対策・生前対策として、婚姻20年以上の奥様への自宅の贈与は、よく行われる手続きの一つです。この贈与は、以下の特例が適用できます。

婚姻20年以上の配偶者への居住用不動産の贈与の特例

■配偶者控除
婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用不動産や居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合、基礎控除110万円のほかに最高2,000万円まで控除できるという特例です。
この配偶者特例の要件として、婚姻期間が20年経過後に贈与が行われたことや、居住用の不動産等が対象になっていることなどが用件となっています。

【改正民法】

(特別受益者の相続分)
第903条
1 共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、第900条から第902条までの規定により算定した相続分の中からその遺贈又は贈与の価額を控除した残額をもってその者の相続分とする。
2 遺贈又は贈与の価額が、相続分の価額に等しく、又はこれを超えるときは、受遺者又は受贈者は、その相続分を受けることができない。
3 被相続人が前二項の規定と異なった意思を表示したときは、その意思に従う。
4 婚姻期間が二十年以上の夫婦の一方である被相続人が、他の一方に対し、その居住の用に供する建物又はその敷地について遺贈又は贈与をしたときは、当該被相続人は、その遺贈又は贈与について第一項の規定を適用しない旨の意思を表示したものと推定する。


 
 
 
 
 


 
 
 

 
 

相続法改正・預貯金の仮払い制度

相続の遺産分割前に葬儀費用を下ろしたい

「父が死亡し、葬儀費用ですぐに200万円が必要になる。父の相続財産で預貯金があるので、銀行でお金を下ろしたいが、相続人の仲が悪く、他の相続人の協力が得られない。金融機関の手続きのために、どうすればよいか?」

このようなご相談は、お客様から多くいただくことがあります。

この場合、現行民法における法的な手段としては、家庭裁判所に遺産分割調停の申し立てをするとともに、預貯金債権の仮分割の仮処分の申し立てをすることになります。
仮分割の仮処分の申立てを行うためには、急迫の危険を防止するための必要があることを疎明しなければなりません。

相続法改正・預貯金債権の仮払い制度

この点につき、改正法では、預貯金債権についてのみ、「ほかの共同相続人の利益を害しない場合」については、仮払いの申し立てをすることができるとしました(改正家事事件手続法200条3項)。

また、単独での権利行使として、
預貯金債権のうち、相続開始時の3分の1の額に、法定相続分をかけた額について、相続人が単独で権利を行使することができると定めました(改正民法909条の2)。
(標準的な当面の必要生計費、平均的な葬式の費用の額その他の事情を勘案して預貯金債権の債務者ごとに法務省令で定める額を限度とする。)

たとえば、被相続人の預貯金が1800万円あり、相続人がその子3名の場合は、
1800万円×1/3×法定相続分1/3=200万円 の払い戻しを受けることができます。

【改正民法】

(遺産の分割前における預貯金債権の行使)
第909条の2
 各共同相続人は、遺産に属する預貯金債権のうち相続開始の時の債権額の三分の一に第900条及び第901条の規定により算定した当該共同相続人の相続分を乗じた額(標準的な当面の必要生計費、平均的な葬式の費用の額その他の事情を勘案して預貯金債権の債務者ごとに法務省令で定める額を限度とする。)については、単独でその権利を行使することができる。この場合において、当該権利の行使をした預貯金債権については、当該共同相続人が遺産の一部の分割によりこれを取得したものとみなす。

参考 預貯金債権・最高裁平成28年12月19日大法廷決定について
共同相続された普通預金債権、通常貯金債権 共同相続された普通預金債権、通常貯金債権及び定期貯金債権は、いずれも、相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはなく、遺産分割の対象となるものと解するのが相当であると決定し、最高裁平成29年4月6日判決は、同様に定期預金債権及び定期積金債権も当然に分割されれうことなく、遺産分割の対象になると判示しました。


 
 
 
 
 


 
 
 

 
 

相続法改正・遺産の一部分割

遺産分割協議で一部の財産だけを先行して分割したい

被相続人の財産のなかで、「不動産が多く山林や田畑など処分に困る土地もあり分け方がなかなか決まらない」「預貯金や一部の換金性が高い土地建物を先行して遺産分割協議を進めたい」というケースが多くあります。

この場合、遺産分割協議で、遺産の一部についてのみ、遺産分割協議を行って分割することができます(遺言で禁止している場合を除く)。
現行の民法では、共同相続人は、いつでも協議で遺産の分割をすることができると定めていますが、改正民法では、「遺産の全部または一部の分割をすることができる」として、明確に規定をしました。

(遺産の分割の協議又は審判等)
改正民法第907条

1.共同相続人は、次条の規定により被相続人が遺言で禁じた場合を除き、いつでも、その協議で、遺産の全部又は一部の分割をすることができる。
2.遺産の分割について、共同相続人間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、各共同相続人は、その全部又は一部の分割を家庭裁判所に請求することができる。ただし、遺産の一部を分割することにより他の共同相続人の利益を害するおそれがある場合におけるその一部の分割については、この限りでない。
3.前項本文の場合において特別の事由があるときは、家庭裁判所は、期間を定めて、遺産の全部又は一部について、その分割を禁ずることができる。


 
 
 
 
 


 
 
 

 
 

相続法改正・遺産分割前の処分

遺産分割の前に相続財産を処分した場合の遺産の範囲

相続人の一人が、遺産分割協議前に、相続財産である預貯金を無断で払い戻したりした場合に、遺産の範囲はどの範囲となるのでしょうか?現行民法では、損害賠償や不当利得返還により処理をするケースが多いと考えられますが、改正民法では、内容について明文化されました。

上記の例で、他方の相続人は、使い込んだ相続人の同意を得ることなく、払戻金を遺産分割の対象とすることができます。

(遺産の分割前に遺産に属する財産が処分された場合の遺産の範囲)

改正民法第906条の2
1.遺産の分割前に遺産に属する財産が処分された場合であっても、共同相続人は、その全員の同意により、当該処分された財産が遺産の分割時に遺産として存在するものとみなすことができる。
2.前項の規定にかかわらず、共同相続人の一人又は数人により同項の財産が処分されたときは、当該共同相続人については、同項の同意を得ることを要しない。


 
 
 
 
 


 
 
 

 
 

相続法改正・自筆証書遺言の方式緩和

自筆証書遺言の簡易方式

自筆証書遺言は、現行民法では、すべて全文を自書しなければならないと規定されていました。
しかし、分量が多かったり記載の間違いなどが多くあり、問題になっていました。
そこで、自筆証書遺言の改正により、利便性を重視し、以下の改正が行われました。

自筆証書遺言書の改正ポイント

自筆証書遺言の「財産目録」は、自書じゃなくてもOK
 (パソコンでの記載や、登記事項証明書・預金通帳の写しの添付でも可)

上記の場合、財産目録の全ページに署名・押印が必要

このように、間違いやすい相続財産の記載部分について、相続財産の全部又は一部の目録を添付する場合には、その目録については自書することを要しないと規定されました。

改正自筆証書遺言の注意点

改正された自筆証書遺言について、相続財産の記録は便利になりましたが、注意点として、自書によらない部分の目録の目録の毎葉(自書によらない記載がその両面にある場合にあっては、その両面)に署名捺印が必要であるという点に注意が必要です。

また、自筆遺言の相続財産目録についても、本文と同様に訂正(加除その他変更)は可能です。
しかし、訂正の方式については、従前どおりですので、できれば書き直したほうが無難であろうと考えられます。

なお、遺言書の契印や、同じ印鑑での押印については、要求されていません。

 

 

参考:法務省Webサイト 「自筆証書遺言に関するルールが変わります。」ページ
 
 

自筆証書遺言の改正施行日

平成31年1月13日(2019年)

改正民法第968条
1.自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。
2.前項の規定にかかわらず、自筆証書にこれと一体のものとして相続財産(第九百九十七条第一項に規定する場合における同項に規定する権利を含む。)の全部又は一部の目録を添付する場合には、その目録については、自書することを要しない。この場合において、遺言者は、その目録の毎葉(自書によらない記載がその両面にある場合にあっては、その両面)に署名し、印を押さなければならない。
3.自筆証書(前項の目録を含む。)中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。


 
 
 
 
 


 
 
 

 
 

相続法改正・自筆証書遺言の保管制度

自筆証書遺言の法務局保管と検認省略

自筆証書遺言の保管制度は、自筆証書遺言の管理を行い、遺言書の紛失防止・紛争予防をねらいとした制度です。法務局における遺言書の保管等に関する法律(遺言書保管法)に定められています。

自筆証書遺言と検認

自筆証書遺言の場合、現行制度では家庭裁判所での検認が必要となります。
この検認の手続きを経なければ、相続した不動産の名義変更(相続登記)、預貯金の解約その他相続財産の名義変更等の手続きを行うことはできません。なお、公正証書遺言の場合は、検認の手続きは不要ですので、この点も公正証書遺言と自筆遺言の大きな違いとなります。

遺言書保管法では、家庭裁判所の検認を要しないこととする措置を講ずるとしています。

自筆証書遺言の保管はどの法務局で申請できるか?

遺言書保管法では、法務大臣の指定する法務局が、遺言書保管所として、遺言書保管に関する事務をつかさどることとしています。
遺言書の保管の申請は、以下の管轄となります。
・遺言者の住所地
・遺言者の本籍地
・遺言者の所有する不動産の所在地
上記を管轄する遺言書保管所の、遺言書保管官に対して行います。

遺言者の所有する不動産の所在地というのが、特徴的な規定かと思います。
これは、相続人が遺言書を確認する際に、その法務局で相続登記をスムーズに行えるようになど、相続登記の促進や所有者不明土地問題の改善につながることを考慮しています。

また、遺言書を作成して、遺言書保管所にすでに保管している場合には、遺言書の分散を回避するため、その後の遺言書の保管の申請は、同保管所の保管官に申請する必要があります。

保管申請できる遺言書の種類

遺言書保管法で保管の申請ができる遺言書の種類は、自筆証書遺言書のみとなります。
また、申請できるのは、「無封」の遺言書でなければいけません。

・遺言書の保管申請があった場合の手続き

遺言書が自筆証書遺言の民法968条に適合しているか、外形的な確認を行います。
日付・氏名・押印・手書き(本文)についてチェックします。

遺言書の原本を保管するとともに、画像情報等も保存することになります。
保存期間は、遺言者の死亡日から相続に関する紛争を防止する必要があると認められる機関として政令で定める期間としています。

遺言書の保管申請の方式

自筆遺言書の保管の申請は、争族紛争予防のため、遺言者が遺言所保管所に出頭してしなければなりません。代理人が行うことはできません。

保管されている遺言書は、保管の申請を撤回することにより、遺言書の返還を受けることができるとしています。保管申請の撤回についても、遺言者が自ら出頭して行う必要があり、代理人が行うことはできません。
撤回した場合は、遺言書を返還し、画像等の情報も消去します。

なお、遺言者死亡後は、その相続人等は遺言書を調べることができるよう規定されています。

 
 
 
 
 


 
 
 

 
 

相続法改正・遺贈の担保責任と引渡義務

遺贈者の引き渡し義務

遺贈義務者が、遺贈の目的物・権利を、相続開始の時の状態で、遺贈権利者に引き渡しをする義務を負うという内容を明文化しました。
たとえば、父が遺言で特定の物を第三者に遺贈するという内容の遺言を遺していた場合、遺贈義務者(父の相続人)は、その特定物が相続時点ですでに壊れていた場合、直さずにそのまま渡せばよいということになります。

現行民法では、上記と同様の結論として解されていますが、改正民法ではこれを明文化したということになります(998条)。

(遺贈義務者の引渡義務)

第998条
遺贈義務者は、遺贈の目的である物又は権利を、相続開始の時(その後に当該物又は権利について遺贈の目的として特定した場合にあっては、その特定した時)の状態で引き渡し、又は移転する義務を負う。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。


 
 
 
 
 


 
 
 

 
 

相続法改正・遺言執行者の権限の改正

遺言執行者の権限と通知義務

遺言執行者の権限について、
・任務開始の通知義務
・遺贈の履行権限
・特定財産承継遺言に関する権限
・相続人の代理人みなし文言削除
・遺言執行者の復任権
といった内容の改正が行われています。

遺言執行者の通知義務

遺言執行者が就職を承諾し、任務を開始したときは、遅滞なく、遺言の内容を相続人に通知しなければならないと規定されました。
相続において、遺言の内容は、相続人にとって重大な利害関係を有することになるため、遅滞なく通知することを定めたものです。

遺言執行者の権限

遺言執行者の権限について、複数の改正が行われています。

遺贈の履行権限

遺言執行者がある場合には、遺贈の履行は遺言執行者のみが行うことができると規定しました。特定遺贈だけではなく、包括遺贈においても、遺言執行者の履行権限を新設しました。

特定財産承継遺言に関する権限

特定財産承継遺言において、遺言執行者の権限として、対抗要件を具備する権限、預貯金債権について払い戻し請求・解約の申し入れを行う権限を明文化しました。

特定遺贈と特定財産承継遺言の違い

特定財産承継遺言とは、いわゆる「相続させる」旨の遺言のことです。
遺産分割の方法の指定として、相続財産の中の特定の財産を、相続人の誰に相続させるということを定めた遺言のことを言います。
たとえば、「名古屋市緑区の不動産を、長男に相続させる」という内容の遺言は、特定財産承継遺言となります。

特定財産承継遺言における遺言執行者の権限

特定財産承継遺言の場合の遺言執行者に与えられた権限は、
①対抗要件を具備する権限
②預貯金の払戻し請求・解約申入れ権限
です。
対抗要件を備えるために必要な行為をすることができる権限として、たとえば土地や建物であれば、登記をして対抗要件を備える権限が付与されます。

預貯金債権についての特定財産承継遺言の場合は、対象の金融機関に対し、預金の解約申入れを行うことができます。たとえば、「三菱UFJ銀行の預金を、次男に相続させる」という内容の遺言がなされた場合は、UFJ銀行に対して預貯金の払い戻し請求を行うことができます。

現行の遺言執行者の権限

なお、現行の相続手続きにおいても、通常は遺言の中に遺言執行者の権限として預貯金解約に関する権限を入れています。たとえば、「遺言執行者として、司法書士法人はらこ事務所を指定する。遺言執行者は、預貯金の払い戻し・解約の申し入れ権限を与える」という遺言内容であれば、一般的には金融機関の手続きに対応可能です。

遺言執行者を相続人の代理人とみなす規定削除

現行民法では、遺言執行者は、相続人の代理人とみなすという規定があります(1015条)。
しかし、判例においては、遺言執行者の任務は、遺言者の真実の意思を実現するにあるから、必ずしも相続人の利益のためにのみ行為すべき責務を負うものとは解されない旨判示しており、遺言執行者の法的地位を規定上明確にするために、改製が行われました。
改正民法1015条では、遺言執行者がその権限内において遺言執行者であることを示してした行為は、相続人に対して直接にその効力を生ずると定めています。

遺言執行者の復任権

遺言執行者は、弁護士や司法書士などの専門家が就任するだけでなく、一般の方が指定されることもあります。現行民法では、遺言執行者が第三者に任務を委任することについて制限があり、「やむを得ない事由」がなければ、復任権はありません。
これを回避するために、遺言には、第三者にその任務を行わせることができるという内容の復任権を入れる必要があります。
専門家が遺言作成サポートをする遺言では、必ずその文言を入れていますが、そうではない場合には、問題になる可能性があります。

遺言執行者の復任権要件を緩和

そこで、改正民法では、遺言者が第三者に任務を委任できるように、自己の責任で第三者にその任務を行わせることができるとしました。
復任権を原則として、遺言で反対の意思表示をした時を除くという形で規定しています。

 
 
 
 
 

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