相続税の路線価と土地の公示価格
- 2017/6/14
- 2019/3/26
相続税の計算と不動産の評価額
不動産の価額・価値は、指標や基準によって大きく異なります。
特に、土地については、「一物五価」(いちぶつごか)といわれるように、5つの基準での価格が定められます。
客観的な価格として、公示価格、基準値標準価格、路線価(相続税路線価)、固定資産税評価額という価格があり、
実際に取引が行われる価格である実勢価格があります。
1.公示価格
国土交通省が、毎年1月1日時点を基準として、土地を算定した価格です(3月に発表)。
一般の土地取引の指標とされています。
2.基準地価(基準値標準価格)
都道府県が、毎年7月1日時点を基準として、土地を算定した価格です(9月に発表)。
基準地価は、公示価格を補完する目的で設定される価格になります。
3.路線価(相続税路線価)
国税庁が、毎年1月1日時点を基準として、土地を算定した価格です(7月に発表)。
公示価格の約8割(80%)程度です。
この路線価が、相続税や贈与税を算定するときの基準となります。
4.固定資産評価額
市区町村が、毎年1月1日時点を基準として算定する価格です(4月に発表)。
3年に一度、評価替えが行われます。
公示価格の約7割(70%)程度の金額になります。
固定資産税評価額により、不動産の相続登記の登録免許税を計算したり、不動産取得税の計算を行います。
5.時価(実勢価格)
実際に市場で売買される取引価格(市場価格)の事です。
近傍の公示価格や路線価格を基準として、近隣の売り出し事例や取引の価格、個別の要因(対象地の接道状況・向き・規模など)を勘案して、価値を決定します。
需要と供給のバランスにより、価格が変動することになります。
土地の価格まとめ
土地に関する価額について、それぞれ表にまとめました。
公示価格 | 基準地価 | 路線価 | 固定資産税評価額 | 時価 | |
内容 | 一般の取引指標 | 公示価格を補完 | 相続税算定の基準 | 固定資産税算定の基準 | 市場価格 |
公示価格 との比較 | 公示価格の 80%程度 | 公示価格の 70%程度 |
固定資産評価額と路線価の計算
公示価格との関係で、路線価と固定資産評価額の金額がおおよそ決まってきますので、路線価か評価額いずれかが判明している場合は、もう一方を概算で計算することができます。
- 固定資産税評価額から路線価を計算したいときは、固定資産評価額×1.143(いい資産)で、概算の路線価が計算できる
- 路線価から固定資産評価額を計算したい場合は、路線価×0.875で、大体の固定資産評価額が計算できる
その他の基準価格
また、これ以外にも、土地や建物などの不動産を競売する場合などに用いられる、売却基準価格(不動産鑑定評価額)があります。
不動産鑑定士が、対象の不動産を鑑定して、評価額を算出します。
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