名古屋市緑区でのご相談:遺言公正証書作成事例のご紹介
- 相続手続き(遺産分割・預貯金・不動産)
- 2022/9/13
- 2023/4/26
緑区での遺言作成事例 『進撃の巨人』に見立てての解説
名古屋市緑区での遺言作成についてのご相談事例の紹介です。なじみやすく、『進撃の巨人』の登場人物に見立てての事例解説をしたいと思います。
相談内容:面識のない兄弟姉妹との遺産分割対策
相談者は、緑区在住の50代前半の男性の方(以後、エレンという。)でした。相談内容は、ご自身の父親(以後、グリシャという。)に離婚歴があり、面識のない腹違いの兄弟姉妹(以後、ジークという。)がいるため、今後グリシャさんの相続が発生した際にとても心配でした。
エレンさんの心配事についてはもっともで、現行法では、例え面識がなかったとしても、グリシャさんと血の繋がりがある方にはどれだけ疎遠でも法律上の相続権が発生してしまいます。面識がない方、どこに住んでいるのかもわからない方との遺産分割協議は非常に困難を極め、コストも時間も大幅にかかってしまいます。
エレンさんは、グリシャさんがもうすぐ100歳をむかえる年齢であったことも相まって、とても不安な日常を送っている状態でした。
今回の相続・遺言相談の肝心の部分
今回のお悩みの肝は、何も対策せずにグリシャさんが亡くなってしまった場合、グリシャさんの相続人全てに相続権が発生するということです。つまり、全く面識のない、どこに住んでいるかもわからないジークさんにも相続権が発生してしまい、エレンさんはジークさんとの間で相続手続を進めていかなければならないわけです。
このエレンさんの抱えるリスクを除去することが今回の相談の肝でした。
相続に備え遺言で遺産の配分を意図的にコントロールする
そこで、当方が提案したのが公正証書での遺言作成です。遺言とは、亡くなった人が、主に自己の財産(相続財産)について、自分の最終意思を死後に遺したものです。亡くなった人が、自分の財産を、誰に、どのような形で残すかということについて、自分の意思・希望を残しておくことで、自分の死後の手続についてまでレールを引いておくことができます。また、今回の件では余談となりますが、財産を保有している本人の意思であるため、その意思を尊重しようという相続人間での心理作用も多少ははたらくため、相続人間で無用な争いが生じることをある程度未然に防ぐことも期待できます。
この度のイエーガー家のお家事情であれば、グリシャさんに遺言を作成してもらうことでエレンさんの最大の悩みは解消できるということになります。
遺言の種類
過去のブログでも記載しておりますが、遺言にはいくつかのパターンがあります。そのため、その時々に合わせた遺言形式での作成が求められますが、今回のエレンさんの相談事例においては、遺言のパターンの一つである【公正証書】による遺言作成を提案しました。
理由はいくつかありますが、最も大きな理由は、グリシャさんが高齢であるため、ご自身で複雑な文章を書くのが難しいと判断したためです。『遺言=自筆で書き切る』というイメージをもっている方も多いかもしれませんが、公正証書遺言であれば、【公証人】と呼ばれる中立的な立場の専門家が間に入って遺言を代理作成するため、自筆する必要がなくなります。加えて、遺言原本を公証役場内で保管するため、紛失リスクは皆無で再発行なども容易となります。この点を重視し、今回は公正証書での作成一択でエレンさんに提示しました。
ちなみに、遺言を残すタイミングや相続人間の関係値、財産を渡したい相手が誰なのかで、どの方式により遺言作成を行えばいいのかが変わってきますので、 この選択を間違えないように注意しなければいけません。
遺言の注意点
遺言には種類があることを簡単に先述させていただきましたが、種類があることによる使い分けだけではなく、当然他にも注意点があります。
例えば、選択した形式によっては遺言が紛失してしまったり歪曲して伝わったりしてしまうことがあり得ます。また、遺言はちゃんとしたフォーマットが決まっていて、規定フォーマットに添っていない部分については最悪無効となってしまいます。一部分だけならまだいいのですが、間違えた箇所によっては遺言全体が無効となってしまうこともあり得るので、十分注意する必要があります。
他にも、相続人の財産権を侵害した場合の遺留分があることも大きな注意点の一つです。現行法では、相続人の相続分を最低限保証していますので、この遺留分に留意しないで行った遺言が原因で、親族間でのトラブルが起こってしまうこともあるので、この部分も気を付けたい点です。
遺言、生前対策のまとめ
「遺言を残す」という行為は、割と昔からある行為で、広く馴染みがあるものです。
そのため、活用機会も多々あり、上手く活用すれば相続手続を行うに当たり非常に効果的な生前対策となり得ます。しかしながら、とても強い権(ちから)が発動する行為でもありますので、ただ単純に「遺言を残しておけばいい」ということにはなりません。このことを理解した上で、遺言を適切な方法・形で残し、かつ最大限の効果を得るというのが、一番良いことではないかと思います。
また、今回は触れておりませんが、遺言以外の生前対策の方が有効である場合もありますので、遺言を含め生前対策を検討しだしたタイミングで専門家に相談しながら慎重に進めていくことをお勧めします。
名古屋相続相談所では、「遺言」含め各種生前対策に伴うご相談について、先の事例以外にも対応した実績・ノウハウが多々あります。もしこの記事をお読みいただき、少しでも何か引っかかることがある方は、一度お話をお聞かせください。もしかしたら解決するためのご協力ができるかもしれません。初回相談は無料なので、お気軽にお越しいただければと思います。
スタッフ一同、皆様の悩みを『駆逐してやる!!この世から…一匹…残らず!!』の気持ちで対応させていただきたいと思います。
…それでは、実際の事例を元に公正証書遺言によっての相談・解決事例のご紹介でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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