所有者不明土地問題に終止符!法改正の全容と影響を徹底解説

所有者不明土地問題に終止符!法改正の全容と影響を徹底解説

相続登記・住所変更義務化から国庫帰属制度、民法改正まで、複雑な不動産ルールをわかりやすく解説します

近年深刻化している所有者不明土地問題に対し、国は大規模な法整備を行いました。本記事では、この問題の現状と原因から、あなたの不動産に影響を与える法改正の主要なポイントを簡潔に解説します。

所有者不明土地問題の現状と発生原因

所有者不明土地とは?

所有者不明土地とは、所有者がわからなくなってしまった土地所有者と連絡が取れなくなってしまった土地を指します。これが社会問題となる理由は多岐にわたります。

  • 土地の利用阻害:所有者不明により売買や賃借交渉が進まず、有効利用が困難になります。
  • 近隣への悪影響:隣地の所有者が不明だと、木の枝の越境などへの対処ができず、近隣土地の利用や流通まで妨げます。

所有者不明土地が増加した主な原因は以下の通りです。

  • 住所変更登記の放置:これまで義務でなく罰則もなかったため、住所変更後に登記が放置され、所有者追跡が困難になっていた
  • 相続登記の放置:不動産の所有者が亡くなった後の名義変更(相続登記)もこれまで義務でなく、特に価値の低い土地で放置され、権利関係が複雑化
  • 「要らない土地」を捨てる方法の欠如:相続放棄は一部の財産だけでなく、全ての財産を放棄する制度。市町村への寄付も、管理に手間やコストがかかる土地は受け入れられにくい現状があった。結果として相続人間で土地の押し付け合いが生じ、相続登記が放置されていた

   

所有者不明土地を解消する主要な法改正ポイント

所有者不明土地の発生を防ぐため、不動産登記法が改正され、以下が導入されます。

 ①住所変更登記の義務化

    ◦ 住所変更から2年以内に申請が必要です。

    ◦ 違反者には5万円以下の過料が科される可能性があります。

    ◦ 公的機関の情報に基づき登記官が職権で登記するスマート変更登記も導入予定です。

 

相続登記の義務化

    ◦ 遺言や相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に申請が必要です。

    ◦ 違反者には10万円以下の過料が科される可能性があります。

    ◦ 被相続人の所有不動産を一覧化する「所有不動産記録証明制度」も新たに設けられる予定です。

 

相続土地国庫帰属制度で不要な土地を手放す

 管理に困る「要らない土地」を手放せる「相続土地国庫帰属制度」が創設されました。

  • 概要:相続した特定の土地だけを指定し、国に引き取ってもらえる制度です。一定条件を満たせば、国庫への帰属を断られることはありません。
  • 主な条件:建物・工作物・車両等がない、土壌汚染や埋設物がない、危険な崖がない、境界が明確である、担保権などが設定されていない、通路など他人の使用が予定される土地ではないこと、などがあります。空き家がある場合は、空き家を撤去する必要があります。
  • 費用:申請時の「審査料」と、国庫への帰属が承認された場合の「負担金」(10年分の土地管理費相当額)が必要です。

 

 

相続登記義務化時代に知っておくべき不動産相続の基本と手続き

 

民法改正で変わる不動産管理と利用のルール

所有者不明土地の予防・解消のため、民法も改正されました。

遺産分割・共有制度・相隣関係の見直しとその影響

  • 遺産分割に関する新たなルール

    ◦ 相続開始から10年が経つと、原則として具体的相続分の請求ができなくなります。これにより、遺産分割争いの長期化を防ぎ、早期の分割を促します。

 

  • 共有制度の見直し

    ◦ 共有物の「軽微な変更」は、全員同意ではなく持分の過半数で決定可能になりました。

    ◦ 所在不明の共有者がいる場合でも、裁判所の決定により他の共有者だけで管理・変更行為が可能に。さらに、所在不明者の持分取得や不動産全体の譲渡もできるようになります。

 

  • 相隣関係の見直し

    ◦ 隣地が所有者不明の場合でも、隣地から伸びてきた木の枝を自ら切り取ることなどが可能になりました。

 

  • 土地・建物に特化した財産管理制度の創設

    ◦ 所有者が不明・管理不全な土地や建物に対し、利害関係者が裁判所へ請求することで、管理人を選任してもらえるようになります。(所有者不明土地建物管理制度)

 

  • 法改正の主な施行日

    ◦ 相続登記義務化令和6年(2024年)41日施行(施行日前の相続も対象、施行日から3年以内に登記が必要)。

    ◦ 相続土地国庫帰属制度令和5年(2023年)427日施行(施行日前に相続した土地も利用可能)。

    ◦ 改正民法令和5年(2023年)41日施行(遺産分割ルールは施行日前の相続も対象だが5年間の猶予期間あり)。

    ◦ 住所変更登記義務化所有不動産記録証明制度:令和8年(2026年)4月までに施行予定。

 

まとめ

今回の広範な法改正により、所有者不明土地問題は大きな転換期を迎えます。相続登記や住所変更の義務化、相続土地国庫帰属制度、そして民法改正は、あなたの不動産所有や管理に直接的な影響を与えるでしょう。

今回の改正によって、これまで解決が困難だった所有者不明土地にまつわる問題が前進する可能性があります。ご自身の不動産について疑問がある場合や、改正法で事態が進展する可能性があるかを知りたい場合は、不動産法務に詳しい専門家にご相談ください。

名古屋相続相談所では、税理士とも提携してお客様を総合的にサポートさせていただきます。ぜひ一度お気軽にご相談ください。

 

相続の不安・相続の相談は名古屋相続相談所へ

相続の不安・相続に関するお悩みは、名古屋相続相談所におまかせください。

相続のご相談は、相続のお問い合わせフォームからメールいただくか、
フリーダイヤル 0120-889-719 までご連絡ください。
(担当者が不在にしている場合もございますので、あらかじめご予約いただければ幸いです。)

どこに相談すればいいかわからない…相続のことなら何でもお気軽に!

相続のことは、だれにでも訪れることではありますが、何度もあることではないため、
どこに相談すればいいかわからない」という方がほとんどです。
名古屋相続相談所では、相続に関するお悩みに対し、親身になって対応しております。
相続の各専門家のご紹介も行っておりますので、まずはお気軽にご連絡ください。

名古屋相続相談所までお気軽にご連絡お待ちしております。

わからないこと、お困りのことがございましたら、
お電話またはメールでお気軽にご相談ください。
手続きの費用のこと、どのくらい日数がかかるのかなど、どんなことでも構いません。
○○のことで相談したい、というだけでも結構です。
お問い合わせいただいたご相談につきましては、
親身に、丁寧にご対応させていただきますので、遠慮せずに何でも聞いてください。
相談無料、土日祝日・夜間も営業しております。
名古屋駅から徒歩5分。お仕事やお買い物のついでにご利用ください。
お問い合わせ、お待ちしております。

相談専用ダイヤル☎ 0120-889-719

                            052-890-5415

 

(年中無休 朝9時~夜8時)

 

この情報をシェアする

関連記事

カテゴリ

メールのお問い合わせ電話のお問い合わせ