
法律で定める相続の境界線
- 相続手続き(遺産分割・預貯金・不動産)
- 2025/11/7
- 2025/11/7
相続での配偶者の扱いを解説|婚姻届・離婚・別居などの違い
配偶者と相続人の基本関係
相続における「配偶者」とは
相続における「配偶者」とは、法律上の婚姻関係にある人を指します。つまり、婚姻届を正式に提出して初めて配偶者として認められ、相続権を持つことができます。日本の制度では「法律婚主義」が採用されており、同居しているだけの事実婚(内縁の妻)や婚約中、同棲中のパートナーは、たとえ長年一緒に暮らし、子どもをもうけていたとしても、婚姻届が提出されていなければ法的には他人として扱われます。一緒に生活していた内縁の妻ではなく、疎遠だった兄弟が相続人になるといったケースは、珍しいことではありません。
相続開始時点の法的判断基準
相続では、被相続人(亡くなった人)が死亡した時点での婚姻関係の有無が判断基準となります。死亡時点で戸籍上の夫婦であれば相続人となりますが、離婚届が提出されていた場合や離婚判決が確定していた場合は、すでに配偶者ではないため相続権がありません。協議離婚の場合は離婚届の提出日、裁判離婚では判決確定日が基準です。逆に、別居中や離婚協議中でも、正式に離婚が成立していなければ相続人と認められます。つまり、「相続開始の瞬間に、戸籍上、夫婦であったかどうか」がすべてを左右します。

配偶者でも相続人になれないケース
婚姻届未提出・偽装離婚などの事例
婚姻届を提出していない場合、どれほど長年連れ添っていても法的な配偶者とは認められず、相続人にはなりません。また、「偽装離婚」を行い、形式的に離婚届を出して実質的には夫婦関係を続けている場合も、法律上は離婚が成立しているため相続権はありません。ただし、詐欺や脅迫など不正な手段で提出された離婚届は取り消しの対象となり、家庭裁判所に申し立てて無効と認められれば、配偶者としての地位を取り戻すことが可能です。婚姻届や離婚届の扱いは相続権に直結する重要な法的行為であることを理解しておきましょう。
離婚協議中・不倫中などの特殊ケース
離婚協議中や裁判中であっても、離婚が法的に成立していない限り、配偶者は相続人です。不倫中であっても同様で、不倫そのものが直接相続権を失わせることにはなりません。日本の相続制度はあくまで法律上の婚姻関係を基準に判断されるため、道徳的・感情的な問題は考慮されません。ただし、遺言書を作成することにより、配偶者の相続分を減らすことは可能です。それでも、配偶者には法律で定められた「遺留分」があるため、完全に排除することは難しいといえます。
相続トラブルを防ぐためのポイント
遺言書の活用と配偶者の相続分調整
相続トラブルを防ぐ最も効果的な方法は、遺言書を作成しておくことです。遺言書によって財産の分配方法を明確にすれば、配偶者や子ども間の争いを未然に防げます。特に相続人同士が不仲である等の事情がある場合には、遺言書の作成は効果的です。また、内縁の妻等の相続人となれない方へ遺産を渡したい場合にも遺言は必須となります。遺言書には自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言の3種類がありますが、法的効力や保管方法に違いがあります。行政書士に相談すれば、形式や内容の不備を避け、有効な遺言書作成の助けとなるでしょう。遺言書は「争族」を防ぐための効果的な予防策となるため、相続手続を円滑に進める重要な手段といえます。
専門家に相談すべきタイミング
相続に関する不安や疑問がある場合は、相続開始前の段階で行政書士などに相談することをおすすめします。婚姻届の提出状況や離婚協議の進行度、事実婚関係などによって相続人の範囲は大きく変わるため、早めに遺言書の作成や婚姻関係の整理を検討することが大切です。行政書士は、遺言書の作成、相続人の調査、遺産分割協議書の作成等、相続手続きのサポートを行えます。また、他の専門家(弁護士・司法書士)と連携して、複雑な相続問題解決のサポートを行うこともできます。「自分が相続人になるのか不安」「遺言を残したい」と感じた時点で相談することで、トラブルを未然に防ぎ、スムーズな相続手続きを実現できます。
配偶者の相続権は「戸籍」がすべてを決める
相続における配偶者の扱いは、感情や生活実態ではなく、法律と戸籍上の事実によって決まります。婚姻届を提出していない事実婚や、偽装離婚など形式的に離婚している場合は、どれほど深い関係でも相続人にはなりません。また、離婚協議中や別居中でも、離婚が法的に成立していなければ配偶者として相続人になります。このように、相続の世界では「いつ」「どのような婚姻関係があるか」が極めて重要です。ご不安な点がある方は、ぜひお早めに私どもへご相談ください。
名古屋相続相談所では、相続人調査から協議書の作成、最終的な不動産の相続登記申請までをワンストップでサポートし、お客様を煩雑な手続きとトラブルから解放します。私たち司法書士は、皆様の「安心」と「確実な権利の実現」をお約束します。
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