夫から相続した妻の財産の承継

前回の子供のない夫婦で夫が先に亡くなり残された妻に全財産が移転した場合の話の続きなんですが、そのあと妻が亡くなったときその相続財産はどうなるかといいますと妻の遺言書がない限りすべて妻の親族が相続するということになります。
これって、民法的にはそうでも、夫の身内としては納得がいかないことですよね。
妻を立てれば、夫の身内は立たず、夫の身内を立てれば妻の生活が保証がされずです。

民法上の相続から家族信託へ

1927年(昭和2年)「臨時法制審議会」の「民法相続編中改正の要綱」で『家を維持するのに必要な額を超える部分については、家督相続人ではなく被相続人の配偶者に分与すること』が提案されていますが実現しませんでした。
戦後の民法改正では、妻3分の2、兄弟姉妹3分の1、1980年(昭和55年)の改正では、妻4分の3、兄弟姉妹4分の1妻の権利が高まってきているわけです。
しかしながら、この割合については、妻の方も兄弟姉妹の方も感情的に納得いきがたい部分を含んでいました。
そこで、やっと2007年(平成19年)に上記の問題解決に役立つ改正信託法(家族信託)が施行されました。

家族信託

相続財産の内容は、個々に違うわけですね。
夫婦で形成した財産なのか、夫が父親から引き継いだ財産なのか。
又、妻が亡くなったら誰に引き継がせたいのか。
自分の身内なのか、血のつながりはないが深く付き合っている妻の親族なのか、妻に全部引き継がせなくても例えば耕作できないので田畑などは他の者に引き継いでもらうとか、人によって様々です。
家族信託とは、シンプルに説明させていただくと、夫が亡くなったら財産を妻のために使用でき、妻が亡くなったら誰に権利を帰属させるかを自分と信頼できる人との信託(信じて託す)契約によってすることができる制度です。
家族信託は、画期的な制度なので、上記のような悩みを持っている方は一度専門家に相談することをお勧めします。