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相続による死亡届の提出と葬儀後の預貯金解約の手続きについて

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相続とは?死亡後の手続きと相続の手続き

相続とは、亡くなった人の権利・義務が、相続人に引き継がれることです。
人は、死亡すると一切の権利義務を失い、
一身に属する権利義務・祭祀に関する権利を除き、
すべて相続人に承継されます。

役所への死亡届は葬儀社が行うのが一般的

人が亡くなってまず最初にするのは、一般的には、
戸籍の死亡届・死亡診断書(場合によっては、死体検案書)を役場に届け出ることです。
届け出期間は、通常の場合は、死亡を知った時から7日間となっていますが、
死亡届を提出しないと埋火葬許可証の発行を受けることができないので、
亡くなったらすぐ届ける必要があります。
これは、葬儀会社(葬儀社)が代行して行うのが一般的です。

火葬場を設置している市町村では、併せて火葬場使用許可もとります。
葬儀屋さんでこういう手続きをすべてやってくれるところも増えていますが、
死亡届の届出人も戸籍法で法定されているので、
届出人が作成してくれた書類をただ役場に提出してくれる使者の役目をはたしていると解されます。

葬儀の手配

宗派によって異なりますが、お坊さんの予定も聞き、
相続人や祭祀承継者がまずやらなければならないのが、
通夜・葬儀の場所、日時、火葬場の場所、日時の決定です。

葬儀を行うにあたり、ここで必要となってくるのがまとまったお金です。
預貯金を相続するためには、遺産分割協議が必要となるため、
困ってしまうケースがありました。
預貯金の相続イメージ
その要望に応えて、民法改正が行われ第909条の2が追加され、
平成31年7月1日から施行されました。

遺産の分割前における預貯金債権の行使

第九百九条の二 各共同相続人は、遺産に属する預貯金債権のうち相続開始の時の債権額の三分の一に第九百条及び第九百一条の規定により算定した当該共同相続人の相続分を乗じた額(標準的な当面の必要生計費、平均的な葬式の費用の額その他の事情を勘案して預貯金債権の債務者ごとに法務省令で定める額を限度とする。)については、単独でその権利を行使することができる。この場合において、当該権利の行使をした預貯金債権については、当該共同相続人が遺産の一部の分割によりこれを取得したものとみなす。

 

これは、一金融機関150万円を限度として
相続開始時の預金残×1/3×法定相続分の預金が引き出せるという事です。

例えば300万円を配偶者引出しの場合で計算すると
300万円×1/3×1/2=50万円になります。

相続の単純承認の検討

預貯金債権行使の条文の中に、

この場合において、当該権利の行使をした預貯金債権については、
当該共同相続人が遺産の一部の分割によりこれを取得したものとみなす。

 

との規定がありますが、これは、遺産分割したとみなされるということで、
単純承認とみなされます。
単純承認により、相続放棄ができなくなる恐れがあります。
葬儀費用については、「相続財産から葬式費用等を支払うこと」が、
「相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき(民法921条1項)」に
あたるかどうかの検討が必要になります。

裁判例1
「遺族として当然営まざるべからざる葬式費用に相続財産を支出するが如きは道義上必然の所為にして」法定単純承認には該当しない。(東京控判昭和11年9月21日)
裁判例2
「被相続人に相続財産があるときは、それをもって被相続人の葬儀費用に充当しても社会的見地から不当なものとはいえない。」としており、相続財産から葬儀費用を支出する行為は、法定単純承認たる「相続財産の処分」には当たらない。(大阪高裁平成14年7月31日)

これらの裁判例からすると、
一般的に許容される範囲で葬儀費用を相続財産から支払ったとしても、
法定単純承認にはならないと考える余地がありますが、
相続放棄を検討している場合には、
事前に専門家に相談してから進めるようにしてください。

相続の預貯金改正

相続の争いがある場合にすぐに預金を引き出したいというニーズに応じるためにされたもうひとつの改正があります。

相続の争いがある場合について、以下の条文も平成31年7月1日から施行されました。

遺産の分割の審判事件を本案とする保全処分

民法の条文をご紹介します。

民法第二百条
3 前項に規定するもののほか、家庭裁判所は、遺産の分割の審判又は調停の申立てがあった場合において、相続財産に属する債務の弁済、相続人の生活費の支弁その他の事情により遺産に属する預貯金債権(民法第四百六十六条の五第一項に規定する預貯金債権をいう。以下この項において同じ。)を当該申立てをした者又は相手方が行使する必要があると認めるときは、その申立てにより、遺産に属する特定の預貯金債権の全部又は一部をその者に仮に取得させることができる。ただし、他の共同相続人の利益を害するときは、この限りでない。

この規定は、相続で揉めてなかなかお金が引きだせないような場合、利用できます。

要件は、以下のとおりです。

  1. 遺産分割の審判・調停が係属していること
  2. 権利行使をすることの必要性
  3. 他の共同相続人の利益を害しないこと

争いが延々と続いている場合は別ですが、通常の調停期間において、仮処分申し立ての労力、費用等と比べてどれだけの有効性があるのかという点は、検討した上で、状況に応じて判断していく必要があると考えられます。

相続、葬儀、遺産分割のご相談は、お気軽にご連絡ください。
(担当:平石)

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