遺言でできること
- 2018/7/20
- 2019/1/16
遺言書でできる行為
遺言を使ってできることは、以下の内容があります。
- 相続のこと
- 財産の処分のこと
- 身分のこと
- 執行者のこと
- お墓のこと
- 相続のこと
相続に関すること
相続に関することは、ほとんどの遺言書で盛り込む内容になります。
遺産分割方法の指定(または指定の委託)
遺言書を作成する上で、最も多く入れる条項がこの内容です。
どの財産を、誰に相続させるか、ということを具体的に記載します。
たとえば、実家の土地・建物は妻に、そのほかのアパートは長男に、預貯金は次男に、というような内容で決めることができます。
相続分の指定(又は指定の委託)
相続では、法律上、法定相続分が決められていますが、遺言によって、相続分・相続割合を変更することができます。
たとえば、長男と次男に、それぞれ相続財産の2分の1を相続させる、という指定です。
相続分の指定と遺産分割方法の指定の違い
「相続分の指定」と「遺産分割方法の指定」の違いは何でしょうか。
一番の違いは、遺産分割協議が必要になるかどうか、という点です。
遺産分割方法の指定では、遺言書により、特定の財産を指定した相続人に対して直接的に帰属させることになります。
そのため、遺言書があれば、遺産分割協議書は不要となります。
相続分の指定では、相続分の割合のみを定めるため、具体的な相続財産の分配方法については、相続人間で遺産分割協議をして決めることになります。
相続分の指定の場合は、遺言書があっても、別途、遺産分割協議書が必要となります。
遺産分割の禁止
遺言書によって、5年間の間、遺産分割を禁止するということができます。
その他 相続に関すること
- 推定相続人の廃除・廃除の取り消し…推定相続人から相続人の資格を奪うことになります。
- 特別受益の持ち戻しの免除…ある相続人に行った生前贈与は、特別受益として相続財産に持ち戻す場合に、その持ち戻しを免除することができます。
- 遺留分減殺方法の指定…遺留分請求をする場合の減殺について、指定することが可能です。
- 相続人相互の担保責任の指定
財産の処分のこと
遺言者の財産について、亡くなったときに贈与(遺贈)したりすることができます。
遺贈
遺言で、財産を贈与(遺贈)することができます。
相続財産をすべて与えるということも可能ですし、遺産の割合的な贈与である包括遺贈、不動産などの特定の財産を与えるという内容の特定遺贈なども可能です。
信託の設定
遺言において、信託を設定することができます(遺言信託)。
家族信託では、契約により信託が開始することがほとんどですが、遺言での信託設定も可能となります。
その他 財産の処分
- 寄付行為(一般財産法人の設立)
- 生命保険金の受取人の指定や変更
身分のこと
遺言者に関する身分の事項について、遺言することができます。
- 認知
- 未成年後見人の指定
- 未成年後見監督人の指定
遺言執行者のこと
遺言の内容を実現・実行するための遺言執行者を選任することができます。
- 遺言執行者の指定(または指定の委託)
お墓のこと
お墓や祭祀承継に関することを決めることができます。
- 祭祀承継者の指定
参考 相続分と遺産分割方法の指定
第902条
被相続人は、前二条の規定にかかわらず、遺言で、共同相続人の相続分を定め、又はこれを定めることを第三者に委託することができる。ただし、被相続人又は第三者は、遺留分に関する規定に違反することができない。
被相続人が、共同相続人中の一人若しくは数人の相続分のみを定め、又はこれを第三者に定めさせたときは、他の共同相続人の相続分は、前二条の規定により定める。第908条
被相続人は、遺言で、遺産の分割の方法を定め、若しくはこれを定めることを第三者に委託し、又は相続開始の時から五年を超えない期間を定めて、遺産の分割を禁ずることができる。
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